共存


夕方、AEONの食品売場に行ったとき

盲導犬を連れていた女性を見かけた。

陳列棚で何度かすれ違ったが、

盲導犬は他の買い物客の邪魔にならないよ

う極力その存在を消しているように小さく

見えた。

娘が大好きなセルフレジを終え、支払いを

済ませようとしたとき、女性も同じく支払

いを終え商品の袋詰めをされていた。

盲導犬は、人の邪魔にならないよう、

身をさらに小さくしているように見えた。

そこへ老夫婦が、カートを押しながら

やってきたのだが、盲導犬がそこにいる

のに全く気を遣うことなく、邪魔だとば

かりにカートを体にぶつけるように強引に

突破してきた。

信じられない光景。

娘は悪人を見てしまったように暫く

固まっていた。

盲導犬は落ち込んでいないだろうか。

明日も自分のお役目を全うするため全力

で生きていくのだろうけど。

犬の純粋さ、賢さ、儚さに胸を打たれ

人の醜さ、図々しさに落胆した。